施工現場ブログ

駐車場にコンクリート打った翌日車を止められる?翌日通れる?翌日開放のコンクリート実験 

お客様より、

駐車場のコンクリートは打設後何日で駐車できる?というご質問が多くあります。

普通のコンクリートではおよそ一週間後。とお答えしています。

コンクリートは1週間で呼び強度の70%に達します。

そこから徐々に強固になり28日で100%に達します。

一週間で急激に固まるのでそれまでは車を停めないように。

荷重(車の重さ)をかけないように。ということです。

最近では、通路のコンクリートを早く使いたい。

大型車両のゲート交換時に早く通りたい。

というご要望も寄せられています。

アスファルト舗装でしたら完了後早期に開放できますが、

傾斜地や小面積でコンクリートを使用しない方が良い場合。

大型車両の出入り口で強度が必要な場合などでは強固なコンクリートが必要とされます。

早期交通開放型コンクリート舗装 【1 DAY PAVE】

早期解放型のコンクリートを探して、見つけたのは 1 DAY PAVE でした。

一般社団法人 セメント協会 より 発表されています。

24時間で交通開放ということで、実際に使えるものかどうか?というのを実証してみました。

工事準備

Yamasoの駐車場通路のコンクリートひび割れが目立ち、コンクリートを打ち換えることに。

今回は約12平米のうち替えです。

1日で撤去からコンクリート仕上げまで。

翌日には車両通行。

と言う無茶ぶりにもかかわらず、施工スタッフが頑張ってくれました。

自社敷地内ということで、とりあえずのコンクリートを打設したのが37年ほど前。

土の上に厚み10~15cmほどのコンクリートでした。

そのうち作り直す。

というのがずるずると時が経ってしまうようです。

なかなか壊れず、昼またぎとなり、コンクリート間に合うの?という状況

夕方に無事に打設。

ちょっと固さの指定間違ったかな?

とも思いましたが次回への検証とします。実際の施工した感想としては

べたついてコテ抑えがしにくい

砂が上がってこない

流動化剤を使用しているため、固まり始めると一気に固まり始める。

早めに周囲を掃除しないと取れなくなる。

などの問題点がありました。

と言う無茶ぶりにもかかわらず、施工スタッフが頑張ってくれました。

翌日、3日後の強度は?

試験の結果を見て、翌日に開放。3t車も通っていますが、3日経過した現在、クラック等ひび割れは見られていません。一応実験成功と言えるかと思います。

コンクリートは 一般社団法人セメント協会より出版されている,1 DAY PAVE 製造施工マニュアル を参考にしました。

40年を超えるお付き合いの地元の生コンプラントに聞くと1DAYPAVEの生コンは作ったことが無いのでどうなるのかは??という回答でした。

Yamasoにて配合、数量指定。

粗骨材最大寸法20mm以下、単位水量 水セメント比35% セメント量443㎏、その他、細骨材量、粗骨材量、スランプ、空気量、早強セメントの使用を指定しました。

翌日の結果前までは、本当に強度試験できるの?

固まってなくて計測不可?ということはないの?

という不安。

それも払しょくする結果が出ました。速報値につきFAXでの画像のため粗くなっています。

コンクリート強度試験の結果、翌日には28.9N/㎟3日後には50.3N/㎟

となりました。

一般的には床のコンクリートは強度21Nで打設しますので一般車両の強度としては十分な値です。

これなら車を停めても大丈夫な強度といえるでしょう。

ただし、翌日でも強度はありますが、強度の進行はありますので、ひび割れしやすい

とも言えます。

また、水分が低いためコンクリート中の粉体量が多くなり、粘性土の高いコンクリート。ベタベタなコンクリートになりやすいです。表面の仕上げがしにくい刷毛引きがしにくい

などの問題点もあります。

生コンプラントの話では

この配合だとスランプ8cmぐらいの固さかな?

という話でした。(通常は18cm:30cmの筒にコンクリートを入れてすぐにそれを持ち上げた場合に30cmから何センチ下がるか?という試験。)

スランプ8cmの場合ボトっと落ち、流れにくいのでコンクリートに隙間が出やすい。仕上げがしにくい。ということで流動性のある、建築標準的な18cmで行うことが多いです。

(ちょっと技術的なお話)

今回は都合上、圧縮強度の数値となっています。

一般的に舗装コンクリートでの強度指標は曲げ強度となり、およその換算値では曲げ強度の7~8倍が圧縮強度と言われています。

換算した場合、

翌日では3.6~4.1MPa

3日後では6.3~7.2MPa

大型車両通行基準としては4.4MPaとなっていますので、大型車両を翌日に開放するには、配合が少し足りないようでした。

(道路舗装として1日に通行する台数によりコンクリート厚みが異なります)

実際に使えるのか?

使うことはできるでしょう!

ただしもう少し時間をください。

これが1 DAY PAVE と言えるにはもう少しいろいろと試してみたいと思います。

すぐに使える条件としては中型車両ぐらいまで、表面は刷毛引き(ホウキ目)仕上げ

でしたら大丈夫でしょう。運送会社の出入り口、大型伸縮門扉や大型引き戸のレール固定

での使用は向いていると思います。

今後も実証を続けていきたいと思いますので温かく見守りいただければ幸いです。

参考文献一般社団法人 セメント協会 早期交通開放型コンクリート舗装 1 day pave 製造施工マニュアル より一部抜粋

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